Twitter 3つの言葉お題(スレイ以外、オリジナル)

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〈現実逃避、苺、冤罪〉

これは決して現実逃避ではない!と自分に言い訳して、きっちりお昼ご飯を済ませた後に

苺パフェの生クリームをスプーンで掬う。

うーんふわふわでなめらかでクリーミーで濃厚でまさにキングオブ甘味。

健康やダイエットの大敵なんて冤罪にすぎないと全力で擁護したい衝動に駆られるが、

現実は厳しいかな。

 

ATM、トランク、人差し指〉

ATMはどこだ?!大きなトランクを引きずって早朝の町をさまよう。

何で昨日のうちにお金を下ろしておかなかったんだ…飛行機の搭乗まで

あと1時間を切った所でようやくコンビニを発見。はやる気持ちを抑えつつ

カードを差し込み人差し指で画面を…あれっ、何で反応しないの!!

あっ…手袋してたよ。

 

〈涙声、漢字、生徒会長〉

もう何分たったのか、全校生徒が居並ぶ講堂で壇上に立つのは教師ではなく一人の女子生徒。

肩で切りそろえた黒髪に大きな黒い瞳、きつく結ばれた唇から時々発せられる言葉は、

ロクに聞き取れず明らかに涙声だ。俺は立ち上がり壇上に向かって

「もういいから、漢字読めない位で、泣かんでくれ生徒会長。」

 

〈魚、満潮、ゴミ箱〉

魚の匂いのする昼下がりの漁港を独り歩く。

満潮時には水没するこの場所が、昼時の日向ぼっこにはもってこいだ。

港の端にある漁協のゴミ箱に捨てられたのは、何年前の事だったか…そんなこと今更どうでもいいか、

と一つ大きな伸びをして、丸々と太った野良猫は、午後一番の昼寝を満喫することにした。

 

〈新幹線、トッポ、シャワー〉

暗い車窓を流れる景色を見つめて…とかいう風流も許しちゃくれない速度を誇る新幹線に

2回ほど乗り続ける生活にもすっかり慣れた。駅の売店で買ったトッポをちまちま齧りつつ、

しかしホテルでシャワーだけの風呂はうんざり、来週は休んで温泉にでも行ってやる

…とか先週も考えた様な、虚しいなり。

 

〈積ん読、葡萄牙、親指〉

…あーだるい。こういうの二日酔って言うんだろうな。なんか部屋汚いな、前に掃除したのいつだっけ?

だいたいあの本なんだよ…ああ資格試験の為に買ったのか、完全に積ん読状態だ。…

あれ?何だっけあの字、葡萄牙ぶどう…がの訳ない。国名だよほら…

考えるとき親指噛む癖取れないな…ポルトガルか!

 

〈7、氷砂糖、居待月〉

7月になったばかりの日、庭に大量になった梅の実で梅酒を漬けた。

瓶に下処理した梅の実に大量の氷砂糖に焼酎、きっちり蓋をして来年の初夏に二人で飲むはずだった。

太陽が傾いて薄暗い縁側に座り込んで、居待月だしとしゃれ込んで、暗い服は着たままで

3か月目の若い梅酒を独りで開けた。

 

〈シンデレラ、コート、椿〉

シンデレラストーリーなどと、もてはやされていい気になっていた。

急に襲ってきた寒さにコートの襟を立て大股で歩く。

部屋に帰ったらまず風呂!そしたら米ぬか袋にヘアパックじゃなくて祖母ちゃん直伝の椿油。

それで、あの男と知り合ってからかぶり続けた猫…どころか虎の毛皮は脱ぎ捨てることにする。

 

〈瓦礫、ヘッドホン、ビックカメラ〉

素手で瓦礫の山を掘る作業は、思った以上に進まない。ようやくヘッドホンを掘り当てた。

今年の夏、彼女と池袋のビックカメラで買ったそれの先には、同じ日に買った彼女の携帯プレイヤー、

そしてその下からあの日と同じ白いワンピース。

秋の日、関東地方を襲った大地震は未曽有の大被害をもたらした。

 

〈水、暗い、氷雨〉

追われて飛び込んだのか、落ちたのか定かではない。

水を含んだ衣服と同じ様に重い手足を何とか動かし、ようやく岸に這い上がる。

酸素を求める自分の大きな呼吸音に慌てて辺りを見渡したが、どこまでも暗い水辺に人の気配はない。

冷えた体を打ちつける氷雨にすら感謝しながら、暗闇に向い歩き出した。

 

〈海辺、桜、狼〉 何を書いているんだか、私。

暗く重々しい色の空に浮かぶ灰色の雲が渦を巻き、それを映す同じ色の海はやはり荒れている。

四肢を引きずるように、やっと海辺の桜の木の下に辿り着き倒れこむ。妻と共に幾度も獲物を追い込みこの浜を走った。

その妻も人の罠により失った。

老狼は、風に鳴る枝葉に何を感じたか、ゆっくりと目を閉じた。

 

〈森然、居住地理学、玄武〉 この使い方で大丈夫なんだろうかと一抹の不安…だったら無理して書くな自分。

高台から眺める古い町並みは森然と表現しても言い過ぎではないだろう。

そもそも二人でこんな真似をしているのは、一般には馴染みのない居住地理学などという代物を専攻してしまったからだが。

「北は玄武だっけ。」と呟けば、

「陰陽道も参考にした方がいいわよね。」と帰ってきた。

 

〈天草四郎、コンビニ、焼死体〉 おやつっぽく軽いのにしようと思ったが無理がある…

「平成の天草四郎と呼んでくれ。」

奇妙なビラビラブラウスを着て訪問してきた男が自分の彼な事にある種の絶望感を感じたが、

今更仕方がないので部屋に入れた。いきなり冷蔵庫を漁るな、ここはコンビニじゃないぞ。

ご飯何〜?と甘えてきたので「さんまの焼死体と大根のバラバラ死体。」と返してやった。

 

〈干渉、一級建築士、クラウド〉 初オリジナルは、わかりにくい業界もの

机に突っ伏していた顔をあげて、ディスプレイに映る俺の渾身の作、やっと入った大口の仕事10階建てのマンションの図面に見入る。

相手が建築主ではプランに干渉されても仕方がないが、仕事の成功と一級建築士のプライドにかけて何としても阻止したい。

クラウド花子ってマンション名だけは・・・

 

<変身、ワンピース、フルート> 某巨大バイオリン弾き勇者にして10人の子持ち夫婦、だってフルートだし。

ほーら変身だぞとか言って娘に着ぐるみを着せて、バイオリンを弾こうとする夫の後頭部に蹴りをくれた。

「何をする気〜!!」

娘のワンピースを直しながら怒鳴りつけると、後頭部をさすりながら

「お前だって昔は着ていたじゃないか」

「・・・今度やったら離婚。」

「ぅ・・・フルートさ〜ん」

 

 

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