お題以外でTwitterの話題で書いたお話をこちらにも載せておきます。

 

 ガウリナへのお題『いっそ首輪をつけてしまいたい

「お前言ったよな、今晩は出かけないと」
「だってしょうがないじゃない。あんた飲み行ってたし、盗賊が出るって聞こえちゃったんだから…」
口を尖らせて反論するも両手は宙をさ迷う。
一応反省はしているようだが、何度言っても一向にやめる気配は無い。
いっそ首輪に鎖でも付けていいなら楽なんだがな。

熱に浮かされたリナが大胆なことを口走ったら・・・

 〈あったかい〉
「ガウリイ、寒いよー」
「当たり前だろ、風邪ひいているんだぞ。」
「ガウリイ、顔が熱いよー…」
「当たり前だろ、熱があるんだから。」
何を言っても素っ気ない返事しか返さない。ムカつく…何だか頭がグルグルするのは、怒りのせいか熱のせいか。
額のタオルをとりに来たところで腕を掴んで引き寄せる。
抵抗もしないで屈みこんだところを、両腕をまわしてギュッと抱き着いた。
「おい、どうかしたのか。」
「寒いの…こうするとあったかい…」
拒否もしないが返事もない。
「あんたって、暖かくって大きくってこうすると安心するな。」
顔が見えない所為か熱のせいか、言いたいことがポンポン出てくる。
「当たり前だろ。」
この期に及んで憎たらしい返事だ、みてろよ。
「ガウリイ〜、このまま抱いてよ。」
「ああ。」
手にした手拭いをサイドテーブルに放り投げて、デカい手をあたしの背中の下にごそごそと突っ込む。…そのまま動きがない。
「あのさー、そうじゃないでしょぉが。」
「風邪がうつる。」
「何よそれ、オレにうつしたらお前は早く治るとか言えないの。」
「言うか、2人して寝込んでどうする。」
ああ、こういう時だけ正論吐くよな。
「理屈じゃなくて可愛い恋人が、初めてしてもイイよって言っているんだから、もうちょっと言いようがあるでしょうが。」
「治ったらいくらでも抱いてやる。」
「治ったら、もうやらせてあげない。」
「その時は、お前の意見は聞かん。」
おのれ、とことんムカつく奴だ。首に回した腕に力を込めて締め上げてみたが、ビクともしないし…
「返り討ちにしてくれる、黒焦げと感電、どっちがいい。」
「やれると思うならやってみろ。」
確かに不意打ち掛けなきゃ無理ある。
「命がけで来なさいよ。」
「いまさら、お前といるだけで常に命がけだろ。」
疲れたからちょっとだけ腕を緩めると、離れようとしたのでまた締め上げた。
「おい、いい加減で離せ。」
「あったかいから、もうちょっと居てよ。」
「ったく、早く寝ろよ。」
熱に浮かされているのも忘れて心地よさに目を閉じる。
こいつが強引に何かする訳ないって分かっているけど、その代わりこっちもたいした事が出来ないって、ばれてんだよね。
「ガウリイ…」
「あー。」
「治ったら、ほんとにしてもイイよ〜。」
「…早く治せよ。」
「ガンバリマスゥ〜」
ダメだ本当に眠い…あったかいし安心だし、お休みも言えない…
おしまい
 
 
 

 

リナガウどちらでもいいのだが、相手の指をくわえるという仕草はどうよ、と盛り上がったので書いたみたものの・・・色気に欠けるな。

〈指〉

生クリームが絶品という噂のケーキ屋さんにあいつを連れてやってきたが、2つたいらげたあたしを後目に

一つでフォークをおいてしまった。酒飲みは総じて甘いものは好まないが、せっかく一緒に来たのに一人で

食べても面白くないじゃない…3個目を一口食べただけで、あたしの手もつられて止まる。

それでも黙って香茶なんて飲んでいると口の中の甘さが消えて、目の前の誘惑にふらっと手が伸びる。

そっぽ向いているあいつに気が付かれないように、指でクリームを掬ってペロッと舐めた。

「何してんだよ。」

やっぱり気が付かれてか、頭の上から声が降ってきた。

「だって、美味しいよ。せっかく来たのに…。」

今舐めた指でもう一回クリームを掬ってあいつの鼻先に突き出した。

あたしの顔から指先に視線を移して、そのまま指をぱくりとくわえた。冷たい指先が一気に熱くなって慌てて引いた。

「フォークで食えよ。」

笑いながらそのセリフなの・・・ちょっとむかつく

おしまい






一日一ガウリナタグで書いた短いものを一気に入れていきます。タイトルは無いです。

板戸を叩きつけるような水音、剣を片手に扉を開ける影に「雨だよ」と忠告してやっても「分かってる」とにべも無い。
毎日毎日飽きもせず剣だけ振り続ける熱心さは尊敬に値するが、たまには旅の連れに熱心になることがあってもいいんじゃない
と閉まった扉に向かって言ってみた。 



「ガウリイあたしも歩くよ。」大きな背中に揺られながら珍しく殊勝な事を言ってみる。
「お前じゃ腰まで浸かっちまうだろ。」長雨で増水した川は、あたしでは太刀打ちで出来ない。
「よし!今晩は、何でも奢っちゃうよ。」甘えきれず余計な事を言ってしまう性格だけはどうにもならない。



「ちょっとぉ、来てってばー」
「お前な風呂場に男を呼ぶとかどういう了見だ」
「蚊よ!蚊がいるの、捕まえてよ」ぷぅ〜んと言う羽音を頼りにパチッと潰す
「サンキュー」湯船の中から笑顔で返してくる・・・
「お前なぁ、いい加減にせんと襲うぞ」その言葉にちょっとだけ慌てた様な素振りを見せるも
「もう2〜3年待ってくれないかな?」 と悪びれもせず返してくる。
仕方ないチラッと、そちらを覗くふりをして 「やっぱり、もちょっと育ってからにしとくか」と言い捨てて浴室を出た。
後ろで何か言っているが少しは懲りてくれるといいんだが・・・



奥さん一つ買ってかないか?」
屋台のおっちゃんの一言にあたりを見回すが、どうもこの可憐な美少女のあたしに向かって の言葉らしい
「はぁ!?」と眉をしかめるも横からの「美味そうだな二つくれ」のセリフで台無しだ。 「ほれ。」と渡され受け取るあたしも慣らされているのかも…


「もー、何なのよ。せっかく現地まで行って買ってきたのに、この辺の雑貨屋にも売ってるじゃない!」
よほど面白くないのかいつまでも不満を述べる彼女を宥めるつもりであえて言ってみた。
「別にいいじゃないか、現地の雰囲気も味わえて、お前だって喜んでいただろ。」
「だって、腹立つじゃない。わざわざ行ったのに。」
唇を突き出して不貞腐れるようなそぶりに変わったのでだいぶ治まってきたか、もう一押しかな。
「俺は二人で行けてよかったけど。」ぼっと音でも立てそうなほど顔色を変えた彼女がくるりと背を向けて
「当たり前でしょ。」と言ってきたので、この話はお終いでいいな。




久々の故郷で旅服のままも何なので普段着を新調することにした。
「ねー、どっちの色がいいかな?」厳選した布地を体に当ててきいてみたが「どっちもいいよ」と気の無い返事。
「もう真面目に答える。どっちが好み?!」「…いつものお前が俺は一番好きだな」…いやそれ、何言い出すのよ…

「お風呂行くー」
「こら待て!そんな酔って風呂入る奴があるか。」
「え〜露天風呂のためにわざわざここに泊まったんだから、入るのー。離せー!」
「こら暴れんな、へたすりゃ死ぬぞ。」
「いーんだもん」
「この酔っ払いが、それなら朝までこのまま抱えてるぞ。ほらみろ耳たぶまで真っ赤だぞ」

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